どうも皆さんトノハジメです。
さて、Netflixのドラマシリーズが最近やたらと盛り上がっているのは、チンパンジーMGなめ蔵くんやワタクシが度々紹介するところ。
⇒『サブカルクソ男オススメYoutube動画37:NETFLIXオリジナル作品『アイリッシュマン』予告編』
上記の『アイリッシュマン』も、元々は劇場用で公開されるハズが、トラブルに継ぐトラブル…プラス時代に合わないマフィア物とあって企画落ちになる寸前だったにも関わらず、Netflixが果敢にも制作に乗り出し、あれよあれよと公開目前。
このエピソードから物語るとおり、やはりNetflixオリジナル作品の強みは何と言っても、収益・採算を度外視しコンプライアンスをモノともしない姿勢。例えば昨年の今頃公開された、明石家さんまとジミー大西の数奇な絆を描いたドラマシリーズ『Jimmy ~アホみたいなホンマの話~』。一見ほのぼのした作風と思いきや、ジミー大西の狂人寸前の常軌を逸する行動の数々を余すところなく描写。地上波でやれば、それこそコンプライアンス以前に放送コードの時点で引っかかってしまいそうな内容です。
さて、そんなNetflix。ジミーちゃんでもまあまあな素材なのに、それすらをも超える“日本で一番有名な前科者”ことアノ人の半生をついにドラマ化。
それが『全裸監督』。
地上波じゃ絶対ダメな“アノ業界”を徹底的に掘り下げる傑作ドラマシリーズが誕生しました。
「村西とおる」という男
さて、この「村西とおる」。昭和生まれの男性にはおなじみの「監督」です。
とはいえ、「監督」と言ってもスポーツなどの監督ではない。
彼はアダルトビデオの監督。普通ならスポットの当たることもない存在ながら、少しアダルトビデオを知っている人にはまあまあな認知度を誇るであろう人物。それも実はちょっとした理由があるのです。
というのも彼、現在ではアダルトビデオの一般的な演出ともなっている「顔射」や、プロレス技のような体位「駅弁」を作り出し、アダルトビデオの演出としてのみならず、一般的なセックステクニックにも大きく影響を与えたのです。
また、採算が見合わないド派手演出を数々考案し、尚且つ本人によるドラマ・バラエティ・映画への積極的な出演で認知度を高め、それまでは陰日向に隠れていたアダルトビデオという存在を一躍メジャーな存在として押し上げてしまったのです。
故に「伝説のAV監督」なんて言われてしまっている存在。
一方で、「前科7犯」「借金は最大50億円」「FBIに逮捕され懲役370年寸前」など、大方ギャグとした思えないような、桁が違うスキャンダルは80〜90年代にかけて大きな話題になったそうです。また、メディア露出の際のブリーフ一張羅にカメラを抱えて登場するという、インパクト抜群な格好も相まって世間に大きな爪痕を残しました。
原作となった同名ノンフィクション『全裸監督 村西とおる伝』の帯にはこう書いてあります。
「人生、死んでしまいたいときには下を見ろ!おれがいる」
いつでもポジティブであり続けた“帝王”の数奇な半生は、やはり笑いあり、暴力もあり、そして涙ありだった。
このNetflixドラマ『全裸監督』はそんなお話なのです。
山田孝之、本気を出す
さて、この『全裸監督』にて当人の村西とおるを演じているのは、ミステリアス且つ中性的な風貌で人気を博すカメレオン俳優、山田孝之。売れ線の俳優としては同年代の小栗旬や綾野剛などと同じくらいの知名度にありながら、他の俳優なら「いや、コレはイメージが…」となってしまう役柄を数多くこなし、それゆえに最近では、全盛期のロバート・デニーロのような、振り幅が広すぎる活躍が特徴になっている俳優ですね。学生・オタク・殺人犯・ヤクザ・新聞記者・借金取り・勇者…と、演じた役柄はひとつ取ってもエッジとペーソスが効いている。
そして、今回は「アダルトビデオ監督」、しかも実在の村西とおる。
実在の人物でありつつ、過激な言動と行動は間違いないという、そんな村西とおるを山田孝之、完璧に演じているのです。まるで取り憑いているかのような声のソックリっぷりや、真面目な顔でブッとんだ発言をする場面、エロいことをしているはずなのに切なくなってしまう場面など、山田孝之の高い演技力で視聴者の感情は右往左往、もうどうして良いかわかりません。
それを8話分も楽しめてしまうなんてまさしく贅沢の極み。
当然ながら山田孝之としては珍しく、ドギツイ濡れ場もかなり多い。
ホント、イメージを気にしない人で何よりです。
他にも伝説の女優・黒木香を演じている森田望智の他、満島真之介、玉山鉄二の他、兼ね備えたかのような豪華キャストで映像化。俳優陣だけでなく、現役のセクシー女優なども多く出演しており、最近の女優層に詳しい人にも必見の豪華キャスト陣になっています。
地上波が幼稚に見えてしまう衝撃
前述のとおり、内容に抜かりがない。
特に毎話登場する性描写は、年齢指定相応のまあまあな激しさ。
とはいえアダルトビデオのような、股間にくるような場面ではなっておらず、裸が出る場面にはそれぞれちゃんと意味がある。スタッフ陣も一概にスケベ心で裸を登場させていないのがよく分かります。「あられもない裸が出ているのに、なんでこんなに切ないんだろう」と思ってしまう場面の数々など、構成力としてはとても秀逸だな、と思います。
そもそも最近のテレビでは、(男性・女性問わずで)裸どころか、グラビア水着などでもクレームがついたりもするとか。Yahoo!のコメント欄などのニュースメディアや、Twitter、InstagramなどSNSの発信力が発達したこともあってか、企業や個人などへのクレームも容易になり、しょうもない指摘で週刊誌を賑わしたり、逆に重大な事件がぞんざいに取り上げられ忘れ去られたり。そんな暇人が増えてしまった昨今。
『全裸監督』のスタッフ・キャスト陣も思うことがあるのでしょう、やたらと攻めて攻めて攻めまくっています。エロ・暴力・犯罪と、「地上波じゃできないこと、全部やっちまおうぜ!」的な気概を感じる素晴らしい作品です。
コレは必見。
いや、
ナイスです。
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BANANA SCOOTER’Sの用心棒兼コンポーザー。元民放テレビ局AD。自称・関東イチ映画とテクノ・ミュージックを愛する男。ダイエット中。またサブカルチャーへの造詣もかなりのもんです。趣味はディスクユニオンでポンコツCDを購入すること、どうでも良いことに対しての長い作文作成。
故にそんなブログを書くと思います。
しょうもない内容の記事が多いですが、本人曰く「至って真面目」に“しょうもない記事”を書いているとのことです。
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