宇宙人?カルトスター?デヴィッド・ボウイの魅力とオススメソング

コラム

こんにちわ、皆さん。
銀行の残高は現在ゼロ、トノです。
さて、本日は先週のトレインスポッティングの記事に続き、イギリスのエンターテインメントについての話題です。

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今年の1月8日から先日の4月9日の3ヶ月の長期間に渡り開催されたイギリスのロックスター・デヴィッド・ボウイの回顧展『DAVID BOWIE is』。私トノハジメはなんと、最終日の4月9日に乗り込むことに成功。ミステリアス・独特なんて言葉では収まらない、型破りなミュージシャン「デヴィッド・ボウイ」の生誕からの一生涯を追う回顧展の構成に些か感服してしまいました。

※ほとんどが撮影禁止だった為、思い出としか残せないのが残念。

回顧展の開催日は1月8日。2016年の初頭に亡くなったデヴィッド・ボウイの命日なのです。私トノハジメとデヴィッド・ボウイとの出会いは遡ること2003年、我が家にBSや衛星放送のテレビチューナーが来たときでした。実は当時デヴィッド・ボウイは当時の新アルバム『リアリティ』のプロモーションの為に世界中を飛び回っていました。そのせいからか衛星放送等のチャンネルでは挙ってとある映画をバンバン放送していました。それがデヴィッド・ボウイの俳優としての代表作『戦場のメリークリスマス』。当時人気芸人としてピークを迎えていたビートたけし、同じくYMOとして一斉を風靡していた坂本龍一など、日本人俳優と多数共演。その威武堂々として演技にも賞賛を浴び、映画も大ヒットとなりました。さらにカンヌ国際映画祭では最高賞は逃したものの、十数分にも及ぶスタンディングオベーションで敬意を持って受け入れられました。

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私トノハジメが回顧展に行ったのは他でもなく、この『戦場のメリークリスマス』とデヴィッド・ボウイについてたけしと坂本龍一が語っているインタビューを聞きつけたからで、やはり行ってもともと、かなり見応えがありました。デヴィッド・ボウイ自身も日本には特別な感情を抱いていたのは特に知られたところで、2006年以降から死に至るまで、音楽活動以外一切姿を現さなくなったデヴィッド・ボウイが唯一メディアに出した声明というのが、2013年に『戦場のメリークリスマス』の監督・大島渚が亡くなった際の哀悼の言葉でした。

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デヴィッド・ボウイと日本との関係はそれだけではありません。実は1970初頭、当時“カルトスター”などと呼称され、ド派手で奇抜な衣装や、難解な歌詞でファンを獲得していたデヴィッド・ボウイ。実はその当時デヴィッドの衣装を担当していたのが、ファッションスタイリストの御代、山本寛斎その人なのです。山本寛斎はそんな敬意もあり、その後日本を代表するスタイリストになった、なんてエピソードもあります。

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独特のビジュアルセンスや、アルバム発表ごとに音楽のスタイルを変え続けるという後にも先にもないことをやってのけ、ミュージシャンの中でもずっと異彩を放っていたデヴィッド・ボウイ。本日は「デヴィッド・ボウイを最近知ったけど何を聞いたら良いかわからない」なんて人の為に、ここ5年くらいずっとカルトスターのみんかとぅさんに従えるシモベである私トノハジメがチョイスしたセレクション10を紹介します。これで君もデヴィッド・ボウイ博士だ!

 

Space oddity:スペース・オディティ(1968)


デヴィッド・ボウイが初めて注目を浴びた一曲。
1969年に発表された一曲で、前年に公開された『2001年宇宙の旅』にインスパイアされたもの。特徴的なのが、当時珍しかったステレオ音声で収録されたデヴィッド本人による二重ボーカル。デビューアルバム『DAVID BOWIE』でビートルズインスパイアのような典型的なロックアルバムを発表したものの、あんまり売れなかったものの、シングルとしてこの『Space oddity』を瞬く間に大ヒット。一躍ロックスターの仲間入りを果たします。

ちなみに、アメリカのコメディアンで映画監督でもあるベン・スティラーが近年一番本気を出したと思われる感動作『LIFE!/ライフ』でも主人公が心が揺れ動く重要なシーンで使われるなど、現在も人気された一曲であることが伺えます。

 

Starman:スターマン(1972)


『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500』なんていうランキングで、500もの優れたアルバムの中でも35位という上位でランクインしているこちらの曲。なんでも内容は「ラジオを通じて宇宙からメッセージを送ってくるロックスター」について歌ったウタで、少々ぶっ飛んでいる歌詞であるもののそのアップテンポでノリのいいとってもカッコいい一曲です。
2015年映画『オデッセイ』では先の『LIFE!/ライフ』のように、主人公たちが生きる為の活路を見出すという重要なシーンで使用され、映画の大ヒットと合わせ(尚且つデヴィッド自身が亡くなった直後ということもあり・・)、iTunesのランキングで突然上位に躍り出ました。

ちなみに、日本を代表するノッポギタリスト布袋寅泰もカバーを疲労したり・・・

 

Rebel Rebel:愛しき反逆(1974)


1974年に発表された『ダイアモンドの犬』というアルバムからの一曲。それまでドギツイ格好による圧倒的なビジュアルイメージで注目を集めていたデヴィッド・ボウイ。本人も喜んでドギツイファッションをしているのかと思いきや、そのパブリックイメージに悩んでいたという「のだから驚き。この曲はその風潮からの「反逆(Rebel)』を歌っているとされ、歌詞の内容もかなり攻撃的。とはいえ、それでも有り余るくらいノリノリなのがとても素晴らしいといったところ。そもそもデヴィッド自身が当時、薬物中毒でも身体的不安を抱えていた、なんて事実もあるのかもしれませんが。

ちなみに、こちらの曲も未だにファンが多く、デヴィッド・ボウイの追悼イベントではなんと1000人ものファンのみなさんが演奏するというギネス登録の超絶的なイベントもございました。見ると絶対に鳥肌が立つので、是非ともみてくださいね。

 

Warszawa:ワルシャワの幻想(1977)


先の通り、ビジュアルイメージに悩んでいたデヴィッド・ボウイは『ダイアモンドの犬』から数枚のアルバムを発表したのちにドイツに隠居してしまったそうです。その際に発表した3枚のアルバム『ロウ』『ヒーローズ』『ロジャー』は“ベルリン三部作”とも呼ばれています。その中でも特にダークなのがこの『ワルシャワの幻想』。これまでの歌物とは打って変わって、ほぼインストの曲となっています。実はこの時(ベルリン時代)のデヴィッド・ボウイ、よく聞いていたのはエレクトログループ、クラフトワークやタンジェリン・ドリームとのことで、曲のダークな雰囲気はまさにタンジェリン・ドリームのインスパイアを感じます。黙々とシンセサイザーを弾くデヴィッド・ボウイが印象的。

というか改めて聞いてみたら結構そのものでびっくり。下はタンジェリン・ドリーム。

 

Cat people:キャットピープル(1983)


シンセ音楽の巨匠ジョルジオ・モロダーと組んだ際の一曲。曲の雰囲気がもろに同じく1983年のギャング映画『スカーフェイス』のようであるのがご愛嬌ではあるが、こんなメカニックな雰囲気溢れる曲にも果敢にも挑戦したデヴィッド・ボウイ。廃れない挑戦意欲はやはり魅力的。

こちらはジョルジオ・モロダーによる『スカーフェイス』のテーマ。びっくりするほど似てて・・・というかほぼ双子であるが、こちらの曲にデヴィッドが歌を合わせても違和感がなさそうではある。

 

Magic Dance:マジック・ダンス(1986)


1986年、過去の薬物暗黒期を抜け出しエンターテインメントに特化し始めたデヴィッド・ボウイが出演した、『スター・ウォーズ』のジョージ・ルーカスプロデュースのファンタジー映画『ラビリンス/魔王の迷宮』で主人公の魔王ジャレスを演じたデヴィッド・ボウイ。『ラビリンス』では劇中歌のほとんどを歌ったデヴィッドですが、その中でも僕が特に好きなのが、この『マジック・ダンス』。この『ラビリンス』、実は僕がデヴィッド・ボウイを知る前から歌だけは知っていた曲で、映画の陽気なファンタジーの雰囲気にぴったりの、なんとも可愛らしい歌が魅力的。

映画の中では若干ミックスが異なるものの、モンスターと一緒に思わず踊り出してしまいそうな素敵な一場面となっています。

 

The Hearts Filthy Lesson:ハーツ・フィルシー・レッスン(1995)


1995年にポップ路線から打って変わって、再度ダークな路線に回帰した『アウトサイド』というアルバムを発表したデヴィッド・ボウイ。この『ハーツ・フィルシー・レッスン』はその中でも特に暗い・・・というかバイオレンスな一面が見え隠れした曲。なんと曲のテーマは「殺人」というのだから恐ろしいが、それも高らかに歌い上げる格好良さ。

ちなみにこの曲は1995年に大ヒットした、ブラッド・ピット主演の『セブン』でもエンディングテーマとして起用されています。同じく「殺人」をテーマにした映画で、イメージにぴったりあったまさに奇跡とも言える雰囲気作りがされています。

 

Dead man walking:デッドマン・ウォーキング(1997)


1996年に発表したアルバム『アースリング』からの一曲。実は前述の『ハーツ・フィルシー・レッスン』が収録されたアルバム『アウトサイド』などの売上が思ったよりも不振であった当時、直近のダークなイメージから再度打って変わりテクノサウンド路線にシフトしだしたのがこの一曲。当時「デヴィッド・ボウイが必死の若作り」などと辛辣な意見もあったものの、自身が作曲したこの曲のクラブサウンドが印象的で、今流してもなんら違和感がなさそう。さすが「宇宙人」。

 

New Killer Star:ニュー・キラー・スター(2003)


2003年のアルバム『リアリティ』からの一曲。アルバムを発表し世界ツアー「The Reality Tour」の巡業中に心臓発作で倒れてしまったデヴィッド・ボウイ。この曲はデヴィッドの“スター”としての一面をのぞかせる曲で、やはり今まで以上に取っつきやすい雰囲気はデヴィッド・ボウイならではかもしれません。

実際の「The Reality Tour」でも堂々と歌い上げるデヴィッドが印象的。そしてギターの抱え方の格好良さたるや。

 

The Stars (Are Out Tonight):ザ・スターズ(2013)


デヴィッド・ボウイ晩年の代表曲とも言えるのが『ザ・スターズ』。『愛しき反逆』の時に回帰したような、ギターサウンドが目立つロックソングで60歳の後期だったとはいえ、円熟した歌い方や若々しいサウンドは印象的でもある。ちなみに、僕自身はこちらで上げたミュージック・ビデオもお気に入りで、普通の日常かと思いきや物語が進むに連れて異常な世界観を見せていく構成が素敵。監督が大物ではないものの、フローリア・ジジスムンディという女性。女性とは思えない異常な世界観が魅力。

 


 

デヴィッド・ボウイは最期の2日前にアルバム『★(Blackstar)』を発売。ガンの闘病期間は18ヶ月とも言われ、まさにガンで闘病しながら制作がされたというアルバム『★』。一説によればデヴィッド・ボウイなりの遺言なんてことも言われており、実際に歌詞もかなり意味ありげのキーワードがドンドン盛り込まれています。
ということでそのアルバムからデヴィッド・ボウイ最後の名曲を載せます。

 

★(Blackstar):ブラックスター(2016)

では、みなさん、
さりがとうあようなら。

BANANA SCOOTER’Sの用心棒兼コンポーザー。元民放テレビ局AD。自称・関東イチ映画とテクノ・ミュージックを愛する男。ダイエット中。またサブカルチャーへの造詣もかなりのもんです。趣味はディスクユニオンでポンコツCDを購入すること、どうでも良いことに対しての長い作文作成。

故にそんなブログを書くと思います。

しょうもない内容の記事が多いですが、本人曰く「至って真面目」に“しょうもない記事”を書いているとのことです。

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