こんにちわ、トノハジメです。
さて、みなさん。現在の映画興行収入のランキング上位の映画をご存じでしょうか。
1. アナと雪の女王2(ディズニー)
2. カイジ ファイナルゲーム(東宝)
3. スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(ディズニー)
4. フォードvsフェラーリ(ディズニー)
5. パラサイト 半地下の家族(ビターズ・エンド)
国内興行成績 (20/01/14 付)
1位は当然『アナ雪2』。
2位は藤原竜也主演の『カイジ』の続編・最終章。
3位はこちらも年末からの流れで『スターウォーズ』の最終章。
で、問題はその次。
なんとガチガチの企業モノ。
マット・デイモンとクリスチャン・ベールという豪華二傑が共演したカーレース映画『フォードvsフェラーリ』。これがちょうどIMAXで上映されていたので、先日の三連休の中日の日曜日に観に行ったのですが、まあカッコイイ。
ということで、久々のレビューを行いたいと思います。
ストーリー
ル・マンでの勝利を目指すフォード・モーター社から依頼を受けた、元レーサーのカーデザイナー、キャロル・シェルビーは、常勝チームのフェラーリ社に勝つため、フェラーリを超える新しい車の開発と優秀なドライバーの獲得を必要としていた。シェルビーは、破天荒なイギリス人レーサーのケン・マイルズに目をつけ、一部上層部からの反発を受けながらもマイルズをチームに引き入れる。限られた資金と時間の中、シェルビーとマイルズは力を合わせて数々の困難を乗り越えていくが……。
映画.comより
「ル・マン24時間レース」とは?
僕、そもそも論で車に関してはあんまり詳しくない。
「ル・マン24時間耐久レース」という存在も、言葉だけは知っているものの、どういうものかというとサッパリ。
ということで調べてみた。
「ル・マン24時間レース」 とはなんぞや、と。
ちょっと調べてみたら…なるほど。スッパリキッパリ分かってしまった。
要はフランスのル・マンの地をレース会場とし24時間走行。その周回数が一番多い車両(及びチーム)が勝利となるレースなのです。
「なんと簡単なレース!」
と思ってしまうレースではありますが、よくよく考えてみたら1台の車で24時間もほぼ継続で時速200~300㎞で走り続けるのです。走っている間はドライバーは何回か休むことは出来、尚且つドライバーも変更出来るものの、とはいえ、かなり狂気じみたレースということは言うまでもありません。
この「ル・マン24時間レース」、もう終わってるのかと思いきや、未だに続いているらしい。
そういえばこの「ル・マン24時間レース」に関して、日本で所縁のある人物がいる。
それは、マッチこと近藤真彦。
マッチは80年代よりレーサーとして修業を重ね、90年代に入ると数多くのレース大会に参加、1994年に満を持して「ル・マン24時間レース」に参加、その後2004年にレーサーを引退するまで常連となった。
伊達に『スニーカーぶる~す』ばっかり歌っている元アイドルではないのです。
さて、話は戻って「ル・マン24時間レース」は、この映画の舞台となる1960年代ではこれ以上ないくらいの企業アピールが出来る場面だったとか。
映画内でも描かれていますが、「ル・マン24時間レース」に熱が入っているのは主人公たちだけではない。
他でもない「フォード」と「フェラーリ」という二大企業なのです。
これが映画の肝となっているのです。
主人公の2人
映画の主人公は、フォードともフェラーリとも全く関係ない一介のレーサー2人。
1人はマット・デイモンが演じるキャロル・シェルビーという元レーサー。
シェルビーは1959年に、後にも先にも唯一アメリカ人として「ル・マン24時間レース」を制した伝説のレーサー。
しかし、シェルビーは60年代に入ると心臓病を患ってしまい、他に打つ手無くレーサーとして引退。
映画の冒頭ではカーデザイナーとして羽を伸ばし始めたばかりの状況でした。
もう2人はクリスチャン・ベール演じるイギリス人レーサーのケン・マイルズ。
ケンは兎にも角にも破天荒な人物で、紳士の国イギリスの人らしからぬ粗暴な人。
実際のケンも粗暴な人物だったらしく、これをクリスチャン・ベールが上手いこと演じています。全編スコティッシュイングリッシュ※という、ぶっきらぼうな演技はまさに秀逸。
※『トレインスポッティング』をご存じの方は、容易に想像できるであろう。あの刺々しい英語の訛りがスコティッシュイングリッシュ。「CAN」を“キャン”ではなく“カン”と発音したりするなど、かなり癖のある英語。
物語はこの2人を中心に回り、様々な展開を迎えます。中でも大の中年の2人が殴り合う場面は笑えつつも胸が熱くなる名シーン。
他にもドラマティックで魅力的なシーンの数々がたまらない。
ビックリしたのが、今時の映画で珍しく女性がほとんど登場しない。現在と比べても圧倒的に死亡率が高かったカーレース界隈だから当然とも言えますが、それでも振り切った男汁満載のキャスト陣。
覚えている女性キャストと言えば、ケン・マイルズの奥さん「モリー」、それとエンツォ・フェラリー御大の通訳くらいなもんです。
まさに汗と力こぶの映画なのです。
大企業と闘う男たち
主人公2人が闘う相手前述のストーリーの通り、大手自動車メーカー「フェラーリ」に何としても勝ちたい「フォード」に雇われたシェルビーとケン。
旧知の中でありながら悲喜交々を繰り返すにつれて絆を深めていくが、それと同時にとある方面との争いが絶えなくなる。
それは雇用元のフォード社。
「とにかく優勝したい」シェルビーとケン、「ル・マン」を恰好のPR場所としたいフォード社長と腰巾着たちと認識の違いは深まり、溝はどんどん広がっていく。
副社長のレオに至ってはケンを病み嫌い、幾度となくチーム内から解雇しようとするも、シェルビーはその度にケンをフォローし続けるが、いつしか「VSフェラーリ」どころか「VSフォード」になっていく。
この展開がまた面白い。
その展開と並行して、男の友情を深めていくのがとても感動を誘います。
レース場面がヤバさ
前述の通り1960年代のレース業界、車がコースアウトや横転などしようものならほぼ即死という時代であったらしい。
無論、現在のようにエアバッグなども浸透していない時代であったこともあって、強いて言えばシートベルトとドアが唯一の安全対策だったとか。
そもそも、現在においても200~300㎞のレースカーで横転、コースアウトでもしたらひとたまりもありませんが、現在と比べてもより「事故=即死」という状況。
死と隣り合わせの中レースを走る場面はまさに手に汗を握るわけです。そんな臨場感のある場面の数々で、監督が拘ったのは「本物」のレースシーン。
なんとこの映画、レースシーンの殆どを本物のレーシングカーを走行させ、クラッシュシーンなども極力本物に拘って撮影してしまっているのです。
CGのレースシーンより本物のカーレースの方が迫力があるという点は、2015年の大傑作『マッドマックス/怒りのデスロード』が証明していますが、この映画もまた然り。
とにかくスピード感、ヒヤヒヤ感は本当に秀逸。余りの大迫力に思わず前のめりになってしまうレースシーンの数々です。
祝!アカデミー賞ノミネート!
アメリカ国内では2019年11月に公開され、全米初登場NO1の大ヒットを記録。
何かとジェンダーレスにうるさい昨今のハリウッド映画とは相反するような男だらけの映画ながら、批評家・観客ともに高い評価を獲得。
先日発表されたアカデミー賞では『ジョーカー』『ワンハリ』『アイリッシュマン』『マリッジ・ストーリー』などの大傑作を前に健闘し、作品賞をはじめ4部門にノミネート。映画本編のような健闘っぷりが期待出来ます。
そういえば前述のレースシーンが高い評価をされたおかげか、「音響編集賞」にノミネート。
まあ当然っちゃあ当然だろうけど。
まとめ
カーレースを始め、モータースポーツを全然知らない僕でも楽しめちゃったこの『フォードvsフェラーリ』。
とにかく全編アツい!
まさにジャンプ漫画のような熱い展開は、男なら目頭が熱くなってしまう素晴らしさ。
それはまさに「男の生き様」。
一本筋を引いた男たちがカッコよすぎる映画!
まさに男性の教科書のような映画といっても語弊がないような気がする映画です。
今一番オススメの傑作!
BANANA SCOOTER’Sの用心棒兼コンポーザー。元民放テレビ局AD。自称・関東イチ映画とテクノ・ミュージックを愛する男。ダイエット中。またサブカルチャーへの造詣もかなりのもんです。趣味はディスクユニオンでポンコツCDを購入すること、どうでも良いことに対しての長い作文作成。
故にそんなブログを書くと思います。
しょうもない内容の記事が多いですが、本人曰く「至って真面目」に“しょうもない記事”を書いているとのことです。
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