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【映画レビュー】岡田准一主演“怪作”ホラー映画『来る』【なぜか酷評!?】

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どうも。

生きる屍、トノハジメです。

先日観た『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』があんまりにも面白くて、実は未だに言葉がうまく発することが出来ません。何故なら鑑賞後から、日常生活において喋る…どころか怪獣の咆哮になっておりますからね。くっくっくっ…

そんな傑作ゴジラ映画は一先ず置いておいて、「すげえ面白いじゃん」と思っていたのに、世間では轟々の賛否両論だった映画を紹介。

いや、色んな記事を観たけど、むしろ圧倒的に否定の方が多かったかもしれない。

でも、僕が2018年に鑑賞した映画を限定してランクを付けるとしたら間違いなくベスト3に入れる。なんならベスト1にしても良いくらい。

だが、かの黒澤明監督は「何故日本人というのは順位付けに拘るんだろうね」と映画界に苦言を呈していた(※1)というし、SMAPの『世界に一つだけの花』の中でも「どうしてこうも比べたがる」という歌詞(※2)もあるし、こういうことに関しての順位付けというのはあまりにも不毛なことなので、そんなしょうもないランキングは一先ず置いておこう。

※1)…娘の黒澤和子さんの著書『回想 黒澤明』に実際に書いている記述…だったと思う(おぼろげな記憶)。

※2)…ちなみに、1番のBメロ、草彅君のパート部分である。

岡田准一主演映画『来る』

その映画とは昨年末(12月7日)に公開した岡田准一主演の映画『来る』。ダブル主演として妻夫木聡が出演。他、黒木華、小松奈々、松たか子、青木崇高、太賀、そして伊集院光に柴田理恵だ。どう見ても豪華キャストだし、そもそもなんと緩急に富んだキャスト陣だろうか。

ところが週末興行収入ランキングでは初登場3位。言うまでもなく微妙なスタートとなり、その後は煙の如くランキングから姿を消した。そもそも3位にランクインした時(2018年12月初頭)、興行収入ランキングでは『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』が興行収入ランキング1位、2位には我らが『ボヘミアン・ラプソディ』がロングランヒット中だったこともあり、その翌週は『ドラゴンボール超』が公開。

こちらの『ドラゴンボール超』も特大の大ヒット。この間、実は上記3本以外の興行収入成績はほとんどが微妙(※3)な状況になっており、どんな前線を組んだとしても鉄壁のような映画が事実上3本ある以上、僕の素人目ながら、公開時期を間違えたと断言して差し支えないだろう。

※3)…この時期『グリンチ』『くるみ割り人形と秘密の人形』『妖怪ウォッチ』など、知名度の高い作品もこの3本の大ヒットで軒並みコケている。

そもそもどういうハナシなのか?

原作は日本ホラー小説大賞を受賞した澤村伊智さんのデビュー作『ぼぎわんが、来る』で、タイトルにある謎の存在“ぼぎわん”に騙され、翻弄され、恐怖の元に奈落の底に落とされる人々を描いたと~っても怖い小説。

“ぼぎわん”とは、澤村さんが考え出したオリジナルの妖怪とのことで、海外で「幽霊」とか「オバケ」の意味を持つ“ブギーマン(Boogeyman)”が語源であると小説中になんとなく示唆されているが、実は澤村さん本人の言及は現状なく、この点はWikiくらいでしか触れられてない。とはいえ、前述の通り“なんとなく”示唆されており、小説の中で映画『ハロウィン』の殺人鬼マイケル・マイヤーズ(別名:ブギーマン)についての言及があるので、“ぼぎわん=ブギーマン”ということが年頭においてあるのはほぼほぼ間違いないと思う。


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小説でも映画でも共通しているのだが、 この“ぼぎわん”は幽霊なので実体も持っていないながらも、人の裏をかいて騙し翻弄して追い詰める、圧倒的な恐怖をもたらす存在として描かれており、なんなら人の命も易々と奪ってしまうという結構ヤバめの悪霊なのだ。

この“ヤバめ”の悪霊にはそれ相応の最強の霊媒師という存在が必要になってくるので、その“ぼぎわん”からの大小問わない攻撃(嫌がらせ?)に翻弄される中で幾多の霊媒師を渡り歩く。

そして、日本最強の霊媒師「比嘉琴子」に行きつき、それにプラスして各地から集まった大勢の実力派霊媒師たちと一緒に徹底的な攻防を図りつつ“ぼぎわん”を退治する、というのが大筋のストーリー。前述の通り、これは小説も映画も同じ流れ。つまりは、悪霊退治モノなのだ。これが実に怖い。

「小説」と「映画」の違い

上記のストーリーでも若干触れているが、実は小説と映画の話の流れはほぼ同じ。霊媒師コンビである比嘉姉妹の境遇やキャラ設定と登場の描写もほぼ同じ、映画では妻夫木聡が演じている「イクメン」田原秀樹の“実は”表裏の激しい顔、それによって起こってしまう“重大な顛末”もほぼ同じ。

もっと言うと、映画では小松奈々が演じている比嘉真琴(琴子の妹)のドギツイパンクファッションの描写、一見すると「映画だからってやりすぎでしょ…」と思ってしまうかもしれないが、実はほぼ小説の文面通りのファッションだったりもする。

ただし、細かい部分に違いもある。映画と小説で共通に狂言回し的な存在となる、映画では岡田准一が演じている、実質主人公の野崎。小説ではスーツに眼鏡と、サラリーマン風のどちらかというと真面目な描写になっているのに対し、映画では革ジャン、無精ひげ、チェーンスモーカーと、全く逆の設定になっている。

他にも柴田理恵が演じている霊媒師・逢坂が本来の“主婦”という設定から映画では“老婆”の設定になっている、香奈が“ぼぎわん”と邂逅してしまった後の香奈の動向が全く異なるなど、一番大きな部分だと「ぼぎわん」が何故姿を現したのか・どういう理由で襲っているのかなど、部分的には映画の時間の制約もあってかそれなりに変更が加えられている。

とはいえ、上記の通り、ストーリーの流れだけ追えば相違はそこまで多くない。

中島哲也監督

小説と映画、展開はほぼ一緒なのにも関わらず、鑑賞後(読後)の印象は全く正反対であろう。そうたらしめたのはこの映画を監督した中島哲也監督の存在であろう。中島哲也監督といえば、『下妻物語』『パコと魔法の絵本』、そして湊かなえブースの火付け役となり、映画賞を軒並み獲得した大ヒット作『告白』などを監督。


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元々…というか現在でも現役のCMディレクターなこともあり、場面ごとに情報量の多い演出が特徴で、ドギツイ色彩、細かいカット割り、展開の速さ、そしてどの作品にも多大なるサブカル要素が盛り込まれている。

「展開が遅い」「話が在り来たり」などと言われることが多い邦画界においても全く逆の作風が特徴であり、上記の通り異彩を放ちまくっている監督だ。

一方で本人の映像面・演出面に対するあまりの拘りの強さもあり、「現場が過酷」「常にピリピリしている」「俳優に怒号をくらわす」と、作品発表ごとに話題になる半ばパワハラにも近い現場エピソードも有名な中島監督。

中島哲也監督のご尊顔

中でも有名なのが『嫌われ松子の一生 (2006年)』で主演を務めた中谷美紀で、中島監督のあまりにも粗暴ともいえる振る舞いにブチ切れ、一時降板を匂わす騒動を起こしている。結果として現場に戻ることになったが、本人的にあまりにも思うことが多かったのか、中谷美紀の普段の清楚な雰囲気を逸脱するかのような文体で、エッセイ『嫌われ松子の一年』を出版。ほぼ罵詈雑言まみれで中島監督の現場を振り返っている(※4)。


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ちなみにこのエッセイ、めちゃくちゃ面白いのでオススメ。

※4)…とはいえ完全に不仲になったワケではなく、中島哲也の2014年の映画『渇き。』にて、中谷美紀は重要な役柄で出演している。中谷美紀降板未遂騒動の一件もあってか、当時の朝のワイドショーではちょっとしたニュースになっていた。

この『来る』でも中島監督、暴れたらしい。年齢も還暦前だし、尚且つ初めてのホラー映画なので「もしや落ち着く?」と思いきや、またも現場で猛威を振るったとのことで、紛いなりにもジャニーズである岡田准一がいながら、本来2カ月の撮影期間がまるっと1カ月オーバーして3カ月になったとか。

また、『渇き。』以来の出演となった小松奈々には、この映画の撮影初日早々に「どこでそんな芝居を覚えてきたんだ!」と怒号を食らわせたとか。

以上のことからこの映画『来る』、ジメッとした従来のホラー映画とは一線を画す映画であるのがよく分かる。

“お祓いライブ”映画

中島哲也監督はこの映画『来る』のことを「お祓いライブ映画」と数々のインタビューなどで度々呼称しており、撮影を担当した岡村良憲さんもインタビューでは「ラストは(お祓いの)フェス」とも表現している。いずれにしてもこの映画のラストの前代未聞の規模で書かれるお祓いシーンのことを指しており、両名が揃って音楽イベントに例えている通り、盛り上がりは最高潮になる。

邦画のホラー映画でありがちなお祓いシーンであるが、凡百…いやほとんどホラー映画だと陰鬱な不気味な雰囲気になりがち。『来る』も不気味この上ない雰囲気ではあるが、一方で陰鬱な雰囲気ではない。カメラマンの岡村良憲さんの言う通り、「フェス」のような勢いに溢れ、尚且つカラフルな映像がほとんどを占め、「フェス」のように音楽もドッカンドッカン鳴っている。なんならやりすぎ感があるくらい。

そもそも中島監督、「ホラー映画として制作していない」と公言もしており、怖がらせることよりも盛り上がりを意識したことがよく分かる。それはラストだけでなく、映画全編に至っても統一されており、盛り上がりを演出する手段として様々なジャンルの音楽が流れる。

特にラストの「お祓い」で流れる曲は、日本古来の打楽器系の音楽にお経、そしてノイズ・ミュージックのような、「ミクスチャーお経」な感じなオリジナル楽曲となっており、サントラだとこのオリジナル音楽(タイトルは「Harai」)が4パターンを制作されており、これがまたカッコイイ。まさに「お祓いライブ」に相応しい楽曲となっている。

絶妙なカルト映画感

話を戻すとこの映画、岡田准一が“実質の”主演。「ジャニーズ」というアイドルの枠を破るかのように比較的多くの映画に出演し、現代のマネーメイキングスターとして活躍する岡田。と言いつつもこの『来る』では「岡田准一、たくさん活躍!」というと、実際はそういうワケでもない。なんなら彼は狂言回し的な役柄で、前半はハッキリ言ってしまうとチョイ役の扱いに近い。

そんな数あるキャストで一番印象に残るのが、顔にどデカい傷、場所を問わず煙草スパスパ、ドギツイメイクと、まるでカルト映画『ロッキー・ホラー・ショー』のフランク・フルター博士のような衝撃の容貌で現れる松たか子。


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これがまた強烈な役柄で、最初の登場のインパクトは強烈であるものの、ラストのお祓いシーンに至っては凄まじくカッコイイ。

また、もう一人カッコイイのが、なんとあのワハハ本舗の稼ぎ頭・柴田理恵その人である。小汚い浮浪者のような風貌で登場し、分かりやすいくらいに“ぼぎわん”に騙されて攻撃を食らってしまう。この攻撃で身体の一部を欠損してしまうという、ターミネーターばりの大怪我をしてしまうも復活。

なんと、ラストに登場し、日本中の霊媒師を率いて「お祓い」の先陣を切るのだ。このお祓いがカラフルな色彩・煌びやかな演出で描かれ、『ブレードランナー』を思わせるかのように極彩色の照明がビカビカ。その為一周まわってSFチックになってしまっている。これがまたカッコイイ。まさか、この年代になって柴田理恵を「カッコイイ!」と思ってしまう瞬間に巡り合うとは…。

また、ネクスト蒼井優の感じもする黒木華もまた絶品。以前評価をされた山田洋二監督の『小さいおうち』で「演技うまいなあ、この人」と思っていたのも記憶に新しいのに、まさかの毒親役。真逆の役柄。しかし上手い。というか怖い。

とにかくストレスまみれの顔をしており、実生活でも多方面で疲れた女性の顔を見ることが多い僕の琴線に触れてしまうブチ切れ女性演技を披露。この人、よく蒼井優と比べられるけど、演技力が伊達じゃないのがよ〜く分かる。特に育児ストレスが限界になり、豹変する場面。映画中では3回ほどあるのだが、「ああ、こういう喚き散らす女いるよな」って思ってしまう見事な演技。この黒木華って人、かなり周りを冷静に見て人間観察してる人(※5)なんだろうな…。

※5)…カメレオン俳優には趣味的、いや病的に人間観察をしている人が多いのはよく知られている。ロバート・デ・ニーロしかり、香川照之しかり、山田孝之しかり、松山ケンイチしかり、中川家礼二しかり、劇団ひとりしかり・・・

まとめ

以上のように「評判悪いし…」「売れなかったみたいだし…」と勝手に判断するには非常に惜しい作品となっている。

言うなれば、これだけお金が掛かった「お祓い」も、『エクソシスト』を彷彿とさせるモノであるし、その盛り上げ方も近年の邦画で括ってみてもなかなか観れるものではない。

実は今日、そんな映画『来る』のBlu-ray・DVDが発売されたらしい。一先ず観てみるのもオツなものではないかな、なんて思う。

BANANA SCOOTER’Sの用心棒兼コンポーザー。元民放テレビ局AD。自称・関東イチ映画とテクノ・ミュージックを愛する男。ダイエット中。またサブカルチャーへの造詣もかなりのもんです。趣味はディスクユニオンでポンコツCDを購入すること、どうでも良いことに対しての長い作文作成。

故にそんなブログを書くと思います。

しょうもない内容の記事が多いですが、本人曰く「至って真面目」に“しょうもない記事”を書いているとのことです。











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