映画評論家のおすぎむら昆よ!
今週は本年度期待の一作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の公開が近づいていることもあって、タランティーノが関連した映画をテーマにレビューしていくわ!
「トゥルー・ロマンス」【90/100点】
クエンティン・タランティーノが、まだメジャーデビュー前(80年代中ごろ)に制作した『My Best Friend’s Birthday』というアマチュア映画の脚本を基に、バイオレンスとアクションまみれにして改稿した脚本が基になったアクション映画よ!
主役は当時飛ぶ鳥を落とす勢いのアイドル的人気を誇っていたクリスチャン・スレーターと、この作品で人気が爆発したというパトリシア・アークエットの2人!
脇もかなり豪華で、ゲイリー・オールドマン、(当時まだ無名だった)ブラッド・ピット、デニス・ホッパーなど、書ききれないくらい!監督は『トップガン』のトニー・スコット(兄は名匠リドリー・スコット)で、彼特有のMTV感たっぷりのカチャカチャしたカット割りやドギツイ照明も見どころで、つまりはキャストも映像も豪華そのもの!
最近のタランティーノの作品の特徴でもある、過去のB級映画への露骨なオマージュ場面など、タランティーノが監督した作品ではないながらも、節々にタランティーノの妙技を感じさせる一風変わったアクション映画になっているわ!
ちなみに前述の『My Best Friend’s Birthday』で、主役のクラレンスを演じたのはタランティーノ本人だそうよ!さすがは出たがり!
↓【My Best Friend’s Birthday】↓
「ナチュラル・ボーン・キラーズ」【70/100点】
前述の『トゥルー・ロマンス』と同じく、タランティーノの一癖も二癖もある脚本を、今回は全くエンタメ系ではない『プラトーン』『JFK』など社会派な作品で知られるオリヴァー・ストーン監督が映画化した映画よ!
タランティーノの意に反して、「暴力」の原因やら、「メディア」の過剰さやら、至る所で問題提起の如く描いており、実はこの事が原因でタランティーノは大激怒してしまって「俺をスタッフロールの“脚本(Screenplay)”に入れるな!」とまくしたてたとか!
※そんなこともあり、実際に“脚本(Screenplay)”ではなく“原案(Story)”とクレジットが変更になっている。そもそもタランティーノは割と本気でクレジットに名前を載せてほしくなかったが、『パルプ・フィクション』の大ヒット直後だった為、止む無く載せざるを得なかったらしい。これが本人としては大ショックだったらしく、以降手伝った作品(後述)が基本的にノンクレジットになっているのはここら辺の経緯があるらしい。
そんなワケでタランティーノ特有の外連味などは一切皆無!とはいえ「別物」と割り切ってしまえば特段悪い作品でもなく、ザッピングのようにアニメやテレビ番組風など様々な場面へと変わる独特の編集、極端にドギツイ極彩色の映像など、まさに「ぶっ飛んでいる」という言葉に相応しいヒジョーに変わった映画!アタシは嫌いじゃないわ!
「クリムゾン・タイド」【80/100点】
『トゥルー・ロマンス』のトニー・スコット監督による潜水艦サスペンスよ!
「潜水艦モノにハズレは少ない」とよくジンクスのように言われているけど、まさにこの作品もその一つ!
この作品の特徴は、軍事モノであるにも関わらず敵として争うのが、潜水艦内の艦長と副艦長同士の身内!それを演じているのがジーン・ハックマンとデンゼル・ワシントンとあって、もう演技のつるべ打ちの如き応酬、まさに怒鳴りあいの展覧会になっているのよ!
そして、この脚本のリライト(手直し作業のこと)を担当したのがタランティーノ!ノンクレジットで名前は載っていないんだけど、主にこの嵐のような会話劇の手直しを担当したとのことで、『スタートレック』にまつわる話やコミック版『ファンタスティック・フォー』の話など、「あ、この部分は明らかにタラちゃんが足した部分だな」という場面もチラホラあったり。
いずれにしても大変面白い潜水艦モノなので、アタシが夏休みの皆様にオススメしたい一本よ!
「フロム・ダスク・ティル・ドーン」【75/100点】
逃避行を続ける犯罪兄弟を描いたタランティーノの脚本を、タランティーノの“ブラザー”ことR・ロドリゲスが監督し、尚且つタランティーノが犯罪兄弟の弟役として出演した映画よ!
前半は犯罪アクション風、しかし後半になり脈略無く吸血鬼モノになるという大胆な構成も知られる映画だけど、タランティーノの脚本だけあって会話シーンのしょうもなさは秀逸よ!
ちなみにタランティーノといえば、実生活では女性の足でアヘアヘしちゃう究極の変態であるのを公言しているけど、そんなタランティーノが足をおしゃぶりして、演技なのか本気なのか分からないオー●ズム寸前の顔を見せる場面は爆笑!
↓【タランティーノアヘアヘシーン】↓
↓【個人的に大好きな“ペ●スガン”登場シーン】↓
「シン・シティ」【80/100点】
ハードボイルドアメコミの大御所フランク・ミラーの名作コミック『シン・シティ』を、タランティーノの“ブラザー”ことR・ロドリゲスと、原作者のフランク・ミラー本人が監督したアクション映画よ!
シン・シティ / 原タイトル:Sin City:The Hard Goodbye A Dame To Kill For 1 (ShoPro)[本/雑誌] / フランク・ミラー/著 堺三保/訳
これがまた一風変わった…どころか結構エッジの効いた映画なの!全編がデジタルカメラ撮影、CG加工された“ほぼ”モノクロ&パートカラーが特徴のクールな映像で、尚且つタランティーノが絡んでいることから『キル・ビル』に絡めてだいぶ話題になった映画だわ!
で、どこにタランティーノが絡んでいるのかというと、5分くらいの車内シーンだけなんだけど、CGまみれな映像ながらまあの場面だけはタランティーノ濃度が濃いの!
とにかく全編が超クールなアブラギトギトな感じの映画よ!
今回は以上よ!次回の連載も楽しみにチンチンおっ立てて待ってるのよ!
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有村昆プロデュース ビックリマン人狼 [ 株式会社ロッテ ]
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映画評論「アンタのナマコに塩塗り込むわよ!」連載中!
好きな映画のジャンルはカルト系から一般エンタメ映画まで様々。
自身の男性器を素手で引き千切っているゲイなりの斜に構えた観点で映画をレビューして興奮している変態。
夢は帝国陸軍士官を主人公にしたヒッチコック風のサスペンス映画を監督すること。
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